家賃設定の決め方|個人オーナーが自分でできる相場の調べ方と空室を防ぐ考え方
直接募集で大家さんが最初に悩むのが、家賃をいくらに設定するかです。高すぎると問い合わせが来ず空室が長引き、安すぎると毎月の収入を取りこぼします。仲介会社に任せていたときは提案してもらえた家賃も、直接募集では自分で決める必要があります。
この記事では、個人オーナーが自分で家賃相場を調べ、適正な家賃を決めるための手順と考え方をまとめます。
家賃設定の基本的な考え方
家賃は「自分がいくら欲しいか」ではなく、入居希望者が周辺の物件と比べて選ぶ価格です。ローン返済額や利回りの目標はもちろん大切ですが、相場から大きく外れた家賃では入居者が決まりません。まず相場を調べ、そのうえで物件の強み・弱みに応じて調整する、という順番で考えましょう。
家賃相場の調べ方
- 賃貸ポータルサイトで似た条件の物件を探す:同じエリア・最寄り駅で、間取り、広さ、築年数、駅からの距離が近い物件を10件程度ピックアップします。
- 募集期間の長い物件に注意する:ポータルサイトに出ているのは「募集中の家賃」です。長く掲載されている物件は、相場より高くて決まっていない可能性があります。実際に決まる家賃(成約賃料)は、募集家賃よりやや低めになることが多いと考えておきましょう。
- 地元の不動産会社に聞いてみる:成約事例を持っている不動産会社に相談すると、実際に決まっている家賃の水準がわかります。
- 過去の自分の物件の実績を確認する:前回の入居者が決まるまでの期間や問い合わせの数も、相場判断の材料になります。
比較するときのチェックポイント
集めた物件と自分の物件を比べ、次のような条件の違いを家賃に反映させます。
| 項目 | 家賃が上がりやすい条件 | 家賃が下がりやすい条件 |
|---|---|---|
| 立地 | 駅から近い、複数路線が使える | 駅から遠い、バス便 |
| 広さ・間取り | 同じ間取りでも面積が広い | 収納が少ない、使いにくい間取り |
| 築年数・状態 | 築浅、リフォーム済み | 築年数が古く、内装や設備が古い |
| 設備 | 独立洗面台、浴室乾燥機、宅配ボックス、無料インターネット | 3点ユニットバス、室内洗濯機置場なし |
| 階数・日当たり | 2階以上、南向き、角部屋 | 1階、北向き、周囲の建物で日当たりが悪い |
| 条件 | ペット可、楽器相談可など、競合が少ない条件 | 入居条件が厳しい |
広さが違う物件同士を比べるときは、家賃を専有面積で割った㎡単価で比べると差がつかみやすくなります。たとえば25㎡で7万円の物件なら、㎡単価は2,800円です。
家賃以外の条件も合わせて考える
入居希望者は、家賃だけでなく初期費用を含めた総額で比較しています。家賃を下げる代わりに、次のような条件で調整する方法もあります。
- 共益費・管理費:ポータルサイトでは「家賃○万円以下」で検索されることが多いため、家賃と共益費の配分で検索結果に表示されるかどうかが変わることがあります。ただし、総額で比べる入居者も多いので、合計額が相場に合っているかを確認しましょう。
- 敷金・礼金:礼金をなくす、敷金を減らすと初期費用が下がり、問い合わせが増えやすくなります。
- フリーレント:入居後1か月分の家賃を無料にするなどの方法です。月々の家賃を下げずに入居を後押しできます。短期解約時の違約金とセットで設定するのが一般的です。
空室期間を含めて収入を比べる
家賃を少し下げることをためらって空室が長引くと、かえって収入が減ることがあります。たとえば、家賃7万円の部屋で比べてみましょう。
- 家賃を2,000円下げた場合:2年間の減収は2,000円×24か月=4万8,000円
- 空室が1か月長引いた場合:その1か月だけで7万円の減収
このように、空室1か月分の損失は、わずかな値下げの数年分に相当することがあります。問い合わせが少ない状態が続くなら、家賃や条件を見直すタイミングです。
募集開始後の見直しのタイミング
- 問い合わせや内見の数を記録する:募集開始から2〜3週間たっても問い合わせがほとんどない場合は、家賃や条件が相場に合っていない可能性があります。
- 繁忙期と閑散期を意識する:一般的に、進学・就職・転勤で動く人が多い1〜3月は入居が決まりやすく、それ以外の時期は動きが鈍くなりがちです。繁忙期は強気の家賃で、閑散期は条件を工夫して募集するなど、時期に合わせて考えましょう。
- 写真や説明文も見直す:家賃が適正でも、写真が少ない・暗い、説明文が短いと問い合わせにつながりにくくなります。値下げの前に、掲載内容の改善も試してみましょう。
入居中の家賃を変更したいとき
家賃は入居者と合意した契約条件なので、オーナーが一方的に変更することはできません。周辺相場や税金の上昇などで値上げしたい場合も、入居者に理由を説明し、合意を得るのが基本です。合意できない場合、借地借家法第32条にもとづく賃料増額請求という手続きもありますが、最終的には調停や裁判で判断されるため、時間と手間がかかります。
入居中の値上げは難しいため、募集時の家賃設定が長期的な収入を左右することを意識しておきましょう。
まとめ
適正な家賃を決めるには、似た条件の物件を集めて相場をつかむ、自分の物件の強み・弱みで調整する、空室期間も含めて収入を考えるの3つがポイントです。募集を始めたあとも問い合わせの反応を見ながら、家賃や条件、掲載内容を見直していきましょう。
E-Fudo3では、大家さんが自分で家賃や条件を設定して入居者を直接募集できます。この記事を参考に、物件に合った家賃で募集を始めてみてください。