個人オーナーのための入居審査ガイド|確認すべきポイントと流れ・注意点
大家さんが直接入居者を募集するときに、仲介会社に任せていた部分で特に悩みやすいのが入居審査です。「どこまで確認していいの?」「何を基準に判断すればいい?」という声をよくいただきます。この記事では、個人オーナーが自分で入居審査を行うときの流れとチェックポイント、注意点をまとめました。
入居審査で確認する3つのポイント
入居審査で見るべきことは、大きく分けて次の3つです。
- 家賃を払い続けられるか(支払い能力):収入や勤務先、勤続年数など
- 本人確認ができるか(身元):申込書の内容と本人確認書類が一致しているか
- トラブルなく住んでもらえそうか(人柄・利用目的):入居の目的、人数、やり取りの様子など
入居審査の流れ
- 入居申込書を受け取る:氏名、生年月日、住所、連絡先、勤務先、年収、入居人数、緊急連絡先などを記入してもらいます
- 本人確認書類を確認する:運転免許証やマイナンバーカード(表面のみ)などで、申込書の内容と一致しているかを確認します
- 収入を確認する:必要に応じて、源泉徴収票や課税証明書、確定申告書の控えなどの提出をお願いします
- 家賃保証会社の審査を受けてもらう:保証会社を利用する場合は、保証会社の審査結果も判断材料にします
- やり取りや内見時の様子を参考にする:直接募集なら、メッセージのやり取りや内見時の会話から人柄を知ることができます
- 結果を連絡する:承諾・お断りのどちらの場合も、早めに連絡しましょう
支払い能力の目安
一般的に、家賃は月収(額面)の3分の1程度までがひとつの目安とされています。ただし、あくまで目安です。貯蓄が十分にある方、家族の援助がある方、勤続年数が長く安定している方など、収入の額だけでは判断できないケースもあります。
自営業・フリーランスの方は、確定申告書の控えなどで収入を確認するとよいでしょう。学生の方の場合は、保護者に連帯保証人になってもらう、または保護者を契約者にするといった方法もあります。
家賃保証会社と連帯保証人
家賃保証会社を利用する
家賃保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に家賃を立て替えて支払ってくれるサービスです。個人オーナーにとっては、滞納リスクを減らせるうえ、保証会社の審査を判断材料にできる点もメリットです。保証料は入居者が負担するのが一般的です。
連帯保証人をつける場合の注意
個人が連帯保証人になる場合、2020年4月施行の改正民法により、契約書に保証の上限額(極度額)を定める必要があります。極度額の定めがない保証契約は無効になるため、必ず「極度額〇〇円」と具体的な金額を記載しましょう。
入居審査で気をつけたいこと
個人情報の取り扱い
申込書や本人確認書類には、多くの個人情報が含まれます。利用目的(入居審査や契約手続きのため)を伝えたうえで受け取り、目的外には使わないようにしましょう。お断りした方の書類は、適切に返却または廃棄します。マイナンバー(個人番号)は入居審査には不要なので、マイナンバーカードの裏面のコピーは受け取らないようにしてください。
属性だけで一律に断らない
国籍、年齢、性別、障害の有無などの属性だけを理由に一律にお断りすることは、トラブルや差別につながるおそれがあります。不安がある場合は、保証会社の利用や緊急連絡先の確認、見守りサービスの活用など、リスクを下げる方法を検討しましょう。
単身の高齢の方の入居については、国土交通省と法務省が「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を公表しています。万一のときの家財の処理などを事前に取り決めておくことで、オーナーの不安を減らすことができます。
お断りの理由は詳しく伝えなくてよい
審査の結果お断りする場合でも、理由を詳しく説明する義務はありません。「総合的に判断した結果、今回はご希望に添えませんでした」と、丁寧かつ簡潔に伝えるのが一般的です。
直接募集だからこそできる「顔の見える審査」
仲介会社を通す場合、オーナーは書類だけで判断することが多くなります。一方、直接募集なら、問い合わせのメッセージや内見での会話を通じて、入居希望者の人柄や入居の目的を直接知ることができます。「長く住んでくれそうか」「部屋を大切に使ってくれそうか」といった点を、自分の目で確かめられるのは大きなメリットです。
あわせて、入居希望者からも「本当にこの人が物件の所有者か」を見られています。登記の名義や住所を最新にしておくことも、信頼関係の第一歩です。詳しくは「賃貸オーナーが知っておきたい不動産登記の基本と最新ルール」をご覧ください。
まとめ
- 入居審査では「支払い能力」「本人確認」「人柄・利用目的」の3点を確認する
- 家賃は月収の3分の1程度が目安。ただし収入だけで判断しない
- 家賃保証会社を利用すると、滞納リスクを減らせて審査の判断材料にもなる
- 個人の連帯保証人には、契約書に極度額の記載が必須
- 個人情報は目的を伝えて取得し、属性だけで一律に断らない
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